企業も人も、心を知って成長していく
企業の成長と従業員の成長をリンクさせる。
そんなミッションを持って、正社員で総務人事部長として働く傍ら、組織人事コンサルタントとしてさまざまな企業様の人事企画にも携わっています。
これまで4つの会社で、経営企画や人事、コンサルなどの仕事を経験してきました。
そこで得た気づきが、今の価値観に繋がっています。
新卒で入ったのは建設業界。大学で学んだ管理会計を活かせる環境があったのが、入社の決め手になりました。管理会計とは、経営に必要な業績や社内の状況を数値化する業務のこと。それに加え、数値を改善するための経営企画も考えていました。
すると、ある日気づいたのです。
「業績を上げるには結局、“人”が大事なんじゃないか」と。
たとえば、経費の管理がうまくいっている部署とそうでない部署の違いを調査したとき。その差がリーダーの管理能力だった場合、解決策としてリーダー研修が挙げられます。そのような人的要因が重なるうち、管理会計で数値が測れたとしても、改善するには人を動かす力が必要だと感じたのです。
そこで人事制度構築に携わるため、大手製造業の会社へ転職しました。最初に取り掛かったのは、社員の不満を解消する制度づくり。社員に直接インタビューをしたところ、「ネガティブな評価をするのが難しい」という声があったため、評価の差が少ない制度に変えていきました。すると今度は頑張っている人から、「成果を出した分が評価されない」という不満が飛び出したのです。
それならば業績アップのために割り切ろうと、功績のある人だけ評価する制度を厳しく運用したところ、社員同士が協力しなくなって社内の雰囲気が悪くなってしまい……。「人事制度って、人の心も必要なのかもしれない」と学び、気分良く働きながら成果も出せる仕組みづくりを意識し始めました。
ちょうどその頃、もっと自分の提案の信頼性を上げたいという思いから、「中小企業診断士」という国家資格を取得。猛勉強する中でコンサルティング業界に興味が芽生え、転職活動をしてみると、大手企業と小規模の企業から同じような条件で内定をいただいたのです。
さてこれから、どんなキャリアを描いていこうか。
ふと立ち止まって思い出したのは、父が長年勤めていた会社が潰れ、苦労した中学時代。会社に依存しすぎず、どこでもやっていける力を身につけたい……そのためにも、さまざまな挑戦ができる小規模の企業を選択しました。
そうして踏み出したコンサルの世界は、とても楽しいものでした。何と言っても、複数の企業の人事戦略に携われる。多くの知識が求められるのも、勉強が好きな私には苦ではありませんでした。
しかし会社の方針の影響もあり、仕事の受注が難しくなってくると、その不安定さから体調を崩すようになりました。受注ができないのは、意思決定の立場にいる人の気持ちを知らないからではないか。そう感じた私は、4社目の企業で総務人事部長になったのです。
「決定権を持つ立場の人は、大変なんだな」
今率直に、その苦労を身にしみて感じています。自分の仕事に加えて、部署で起きたさまざまな問題に対処しなければならず、おまけに立場上気軽に相談できる人も多くない……。
実は、私の父も総務人事部長をしていました。忘れもしない中学校の入学式の日。私の家は、父が勤める会社の労働組合の街宣車に張りつかれたのです。夜遅くまで頑張る父の姿を見ていたので、なぜこんなことまでされるのかと悲しくなったのを覚えています。
あのとき、やりたくない仕事第1位になった人事の仕事。巡り巡って携わるようになった今なら、父の苦労がもっと解像度高く理解できます。
そうした悩みを抱えやすい立場の人をサポートしたいから。個人事業で、コンサルの仕事を再開しました。そして事業の一環として、ジョインを決めたのがつむぎ株式会社(以下、つむぎ)です。
特に魅力を感じているのは、企業のビジョンやミッションと人事戦略を繋ぐというつむぎのアプローチ。つむぎの持つコンテンツを使えば、考えてもみなかったソリューションを提案できるのではと、新しい可能性を感じています。
「Cool Head but Warm Heart(冷静な頭と温かい心を持て)」
私には経営企画で培った冷静さと、人事を担当する中で得た温かさがある。私自身、あと30年も働くなんてしんどいなと思ってしまう日もあります。だからこそ、長く働き続けても息切れしない仕組みづくりに取り組みたいです。
これからも既存の考え方に囚われず、クライアントに寄り添える存在であり続けます。