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CI戦略でコロナ危機を乗り越える。ブランドイメージ訴求だけでなく組織の強化も

2020-07-02

ブランディング
新型コロナによって訪れた企業にとっての危機は、
会社の本質をあぶり出す機会となりました。
この機会をむしろチャンスと捉えて
業績を伸ばしている企業もあれば、
顧客が離れ従業員を守れず倒産に向かう企業もあります。
困難な状況下においても、
会社が自主的に動ける組織となるためにはCI戦略こそが重要になります。
CI戦略が成功すればお客様がファンとなり、
従業員が自分の働く会社を好きでいてくれるのです。

そもそもCI戦略とは?

そもそもCI戦略とは?
CIとはコーポレート・アイデンティティの略です。
アイデンティティというと通常は人間の自我のことを指します。
ここで指す自我とは他人によって揺るがないもの、
自己を確立するものです。自己同一性とも言います。

CIの場合は企業を人間に見立てています。
他社や市場の状況などによって揺るがない企業の自我、
存在価値を示そうという戦略がCI戦略なのです。

CI戦略とは「企業として揺るぎないものになろう」
「ウチはこれ!と自信を持って伝えられるようになろう」
ということでもあります。
運用においては社外に対してどのようにわかりやすく伝えるか、
さらには社員がCIによって
帰属意識や労働意欲が高まるものである必要があります。

具体的には、CIは次の3つの要素で構成されています。
CIはこの3つの要素の上にあるものと捉える必要があります。

MI(マインド・アイデンティティ)

平たくいうと企業理念のことです。
MIにのっとって事業計画が建てられ、
社員の行動や社風も決まります。
他の2つの要素の基礎となるのがMIであり、
経営者はまずこのMIを徹底的に突き詰めて考えなければなりません。
このMIがしっかりしていれば
BIもVIもブレ幅が小さくなります。

近年よく耳にするビジョナリー経営・理念経営は、
MIの比重を大きくして社内外に
CIを訴求するやり方と言えるかもしれません。

BI(ビヘイビアー・アイデンティティ)

平たくいうと企業活動のことです。
社員がどのように普段態度を取る、
振る舞うかももちろんそうですが、
企業としての活動、
例えばイベント一つ、社会貢献活動一つ、
その一つ一つのことを指します。
それらの活動はMIを軸に作られます。
すべての行動の中にMIの考え方を取り入れながら活動していくことで、
その先にいる社員、
お客様に会社としての考え方が伝わるようになります。

素晴らしい理念を練り上げたが社員が理解してくれない、
なかなか浸透しないケースでは、
実際に現場でどう動いたらいいのかが
伝わっていないのかもしれません。
MIを策定したらそれをBIに必ず落とし込むことが必要です。

VI(ビジュアル・アイデンティティ)

見た目のイメージです。
企業においてはロゴ、シンボルマーク、
ベースカラー、フォント、製品のデザインベース、
建物のデザインなど、目で触れる全てがVIの対象になります。

VIは他の2つの要素と比べると非常にわかりやすい特徴があります。
一目見てその企業のイメージが伝わるのは大変便利です。
CI戦略の要素の中でも最も力をいれる企業は多いかもしれません。

VI戦略と混同してはいけない

上記の3つの要素で構成されるCI戦略ですが、
日本においてはCI=VIと混同される傾向がありました。
MIとBIを軽視してVIに注力してしまうのです。

CI戦略自体は1960年代のアメリカで
一般的になった考え方ですが、
日本で爆発的に広まったのは1980年代のバブル絶頂期です。
日本で普及する際には海外在住のデザイナーや
広告代理店が手掛けたことによって
「CI=かっこいい、最先端」のようなイメージが生まれました。
この結果、「CI戦略は、ロゴや企業デザインなどのキービジュアルを
とにかくオシャレでインパクトあるものにすること」
という誤った認識が生まれます。

ちょうど時代はバブル絶頂期だったこともあり、
ロゴや企業デザインに莫大な予算を投入する企業が続出しました。
しかし、バブル終焉とともに
日本におけるCIは一気に下火になります。
多くの企業にとっては外からカッコよく見える
デザインにお金をかけることこそがCIであり、
企業の揺るがない価値を確立するところまでは
思いが至っていなかったからです。

現代でもCI戦略を実行する上では、
あくまでMIやBIがあってのVIということを
肝に銘じておく必要があります。
伝わりやすいビジュアルの力は偉大ですが、
それ故に安易にVIに頼りがちなのです。

CI戦略の実例 セリエAユベントスのユニフォーム、エンブレム変更

近年大胆なCI戦略を行なっている企業として、
イタリアセリエAのサッカーチーム「ユベントス」が話題になっています。
クリスチャーノ・ロナウドが在籍する伝統ある強豪です。

ユベントスはここ数年積極的に海外進出を行ってきました。
香港オフィスの開設、積極的なアジアツアーの実施など、
特にアジアのマーケットの開発に意欲的です。

サッカーチームの収益は試合の観客動員やTVの放映権料以外に、
マーチャンダイジングが大きな要素になりつつあります。
マーチャンダイジングにはユニフォームやグッズの売り上げ、
スポンサー料、ロゴ等の権利収入が挙げられ、
言ってみればユベントスの
ビジュアルイメージをお金に変えるという要素が強いです。

ユベントスはアジアのマーケットを開拓し
マーチャンダイジングの売り上げを強化する目的で
大胆なCI戦略を打ち出しました。
具体的にはロゴやユニフォームの変更という動きです。
ユベントスでは単なるVIにとどまらないように、
「ユベントスの哲学である “妥協なき卓越性の追求” を
実現するために策定された」と語っています。
MIを実現するためにエンブレムや
ユニフォームの変更をするというわけです。

ユベントスはサッカー以外も経営の多角化を進めており、
企業イメージを統一しユベントスの価値を
高めたいと考えているようです。
そのためにCI戦略を実行しています。
外に対してのブランディング、従業員の帰属意識の強化、
これらを実現するためにまずはMI、
そしてVIという順序で行っています。
BIに関しても今後目に見える形で現れてくるはずです。

CI戦略で危機を乗り越える

CI戦略で危機を乗り越える
CI戦略は対外的にはブランディング
という言葉で片付けられがちですが、
企業の内部強化が本質です。
最初に述べたように
「他社や市場の状況などによって揺るがない企業の自我、
存在価値を示そうという戦略」がCI戦略だからです。

今回のコロナのような危機が訪れた時に、
まず重要なのが内部が瓦解しないことです。
CIがない企業だと今後の道筋を示すことができず、
対症療法的な施策に終始します。
それは大抵の場合社員に負担を強います。
休業や解雇、給与カットなど。
先が見えない中でこれを行うと、
社員は会社への帰属意識を失ってしまいます。
「方向性は示せず社員も守ってくれない会社」と思われ、
退職者が続出するでしょう。
結果、会社の存続が難しくなります。

CI戦略は会社の進む道を示す取り組みでもあります。
今回のような危機を迎えてあえて新しいことに挑戦する企業は、
停滞する状況を打破し新しい世の中に
価値を示そうとしているのです。
そして、その取り組みは当然社員の協力のもとに成立するため、
「危機を迎えてむしろ帰属意識が強まった」
「結束力が強くなった」ということが起こります。

危機を乗り越えるために抜本的な改革が必要と考えている企業は、
CI戦略を始めましょう。
MIを基本としてBI、VIを策定し、
3つの要素からCIを確立することで、
組織を強化しファンとなるお客様を獲得するのです。
<この記事を書いた人>
つむぎ株式会社 代表取締役社長 前田亮。静岡県立清水東高校、慶應義塾大学経済学部卒業後、新卒で株式会社船井総合研究所に入社。エンディング業界の立ち上げを行い、チームリーダー、グループマネージャーを得て、35歳で部長となり、BtoCサービス業全般を広く携わる。10億円未満の中小企業における「業績を伸ばす組織作り」をコンサルティング領域とする。「信念のあるいい会社」にもっと入り込んだお手伝いをしたいと2020年独立し、つむぎ株式会社を創業する。

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