京都府京都市で、インターネット広告事業や、ドローンによるプロモーション撮影・コンテンツブランディングを行っている株式会社萬丹屋。元々個人で行っていた企業ブランディングが順調に進み、2014年に萬谷 俊裕様が創業しました。

「世の中の笑顔を増やすために価値を創造しつづける」を理念に、ワクワクする仕事や、大義名分のある仕事をし続ける萬丹屋様。創業するまでのお話や経営指針、今後想い描く未来について語っていただきました。

バンドマンから企業 「社会保険に加入したこと」で企業の実感を

–創業についてお伺いしてもよろしいでしょうか。

30代後半くらいまでバンドマンとして活動しており、並行して名刺やチラシを作る仕事を個人で行っていました。しかし、ありがたいことに取引先が多くなってきたため、個人事業として活動していた森本と法人化したんです。

私はこれまで会社に就職した経験がありませんでした。そのため、「自分で創業した会社で初めて社会保険に加入したこと」に感動したのを覚えています。

法人化した後はWeb系の事業からはじまり、そこで接点を持ったお客様先のパンフレットや名刺作成などをトータルで行なっていました。要するに、会社のブランディングですね。

創業してからこそ、個人だったら出会えていない方と巡り会えた

––創業してからは順調でしたか?

2~3年は苦労の日々でした。銀行から資金調達もできなかったため、個人資金でなんとかしていましたね。しかし、初めて京都市の信用金庫でお金を借りることができ、そこから良い方向に風が吹き始めたのです。

当時は事務所も間借りしていましたが、仕事が増えていくにつれて「もっとちゃんとしなければ」と思い、現在のオフィスを借りました。法人化する際は非常に思い切りが必要でしたが、今となっては法人化して良かったと思っています。個人だったら出会えていない方ともたくさん巡り会えたので。

「Webのブランディングに、ドローンを組み合わせたらおもしろいのでは?」ドローン事業開始のきっかけ

––萬丹屋様はドローンが有名ですが、きっかけがあったのでしょうか?

「Webのブランディングに、ドローンを組み合わせたらおもしろいのでは?」とひらめいたのがきっかけです。会社を立ち上げたばかりのタイミングで、ドローンを購入することにさえ不安を感じていました。しかし思い切ってドローンを購入し、身内で宣伝していたら、京都の某病院から仕事の依頼が来たんです。そこからドローン事業が軌道に乗り始めました。

現在は一眼カメラ搭載のドローンや4Kで撮影できるドローン、カメラカーなどの様々な設備を持っているため、テレビ局からもお仕事をいただいている状況です。例えば、TBSテレビの『(バナナマンのせっかくグルメ!!)』やテレビ朝日の『有吉クイズ』などのテレビ番組さんともお仕事させていただいています。ドローンというハイテクな機械を通じて、様々なお客様と繋がれたのは非常に嬉しいですね。

このように、大手企業様との繋がりが持てたのは、私たちがいち早くドローンを取り入れたからだと思います。株式会社萬丹屋を設立した時期とほぼタイミングで、京都の「一般社団法人ドローン撮影クリエイターズ協会」が立ち上がりました。当時は私とその協会くらいしか、ドローンを取り扱っている組織はなかったのではないでしょうか。

初めは不安がある中で始めた事業でしたが、現在は「水中ドローン安全潜航操縦士」や「国家資格の二等無人航空機操縦士」などの資格を取得し、着実に事業を進めています。その甲斐もあってか、「京都でドローンが有名な会社」と知名度も上がっています。

経営方針は創業当時から考えていた

––素晴らしい経営方針ですが、創業から考えていたのでしょうか?

創業当時から考えていました。例えば、1つ目の経営指針『私たちは、世界に通用するデザインを創造し、発信します』は、文字通り世界を目指しています。現在私たちには、世界との直接的な接点はありません。しかし、「お客様のお客様」が世界との繋がりを持っているため、諦めずに発信し続ければ夢は叶うのではないかと思っています。

2つ目の経営指針『私たちは、社会的に価値ある情報、技術を探求し、発信し続けます』に関しては、やはり存在意義のある会社にしたいという想いを反映させました。学校で開催するプログラミング教室はボランティアとして行っていますし、海上保安庁が主催する訓練にも無償で参加しています。

そして、トップページに掲げている理念『世の中の笑顔を増やすために価値を創造し続ける』には、世の中に「素敵な笑顔」を増やしたいという思いを込めました。つまり、お金儲けだけを目指すのではなく、大義名分のある仕事をしたいということです。

極論を言ってしまえば、「正しいか正しくないか」「楽しいか楽しくないか」。ただ単に収益を出すのではなく、人としてやるべきこと、そして面白いことにどんどん挑戦していきたいのです。

世界を見据えてカッコいい会社であり続けるために 「働きやすい会社にしたい」

––萬谷様が描いている会社の未来を教えてください。

「働きやすい会社」にしたいです。例えば、お子さんを会社に連れてきてもOKにしたり、早めに帰ったり。お子さんがいる方は、家族との時間を大切にしたいと思うので、柔軟な働き方ができるようにしたいです。現在も働きやすい環境だとは良いと思いますが、従業員が増えても変わらずに続けていきます。

現在求人媒体は一切利用しておらず、自社サイトでのみ求人を募集しているのですが、応募してくださる方も多くいらっしゃいます。今後はさらに従業員を増やしたいと考えていますが、そのためにはより多くの仕事をいただかなければいけません。現在、まさに腹をくくるべきタイミングですね。

とはいえ、私たちは2014年に創業しているので、もうすぐ10周年を迎えます。10周年を迎えられる企業が非常に少ない中で、私たちがこのタイミングを迎えられたのは、経営指針を真っすぐに見つめて仕事に取り組んできたからでしょう。これまで大変なこともありましたが、今ならそれを含めてすべて楽しかったと思えるんです。

これからも世界を見据えてカッコいい会社であり続けるために、私たちがすべき仕事を徹底的に行い、従業員を大切にしていきたいと考えています。