つむぎ株式会社は持続的に成長し、人を起点に成果が上がる状態を持つ会社を“いい会社”と定義しています。
そしてお客様へ、より“いい会社”となるためのご支援を提供しています。

お客様の多くは葬祭業を営む企業様。レベルの高いご支援のためには、業界について知ることが不可欠です。
そこで今回は広島県福山市を拠点に、棺製造を手がける株式会社共栄様(以下・共栄)にお伺いしました。本記事ではその様子をレポートしていきます。

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とにかく熱い!仲がいい!株式会社共栄のウラガワ

共栄のオフィスがあるのは、広島県のJR福山駅から車で30分ほどの場所。この日は社長様、部長様が車で駅までお迎えにきてくださいました。

オフィスでは会長様がお出迎えをしてくださいました

社長様の話によると、この地域は古くからの慣習である嫁入り箪笥の産地だったそう。良質な木材が育ち、木材を運ぶ運河もあったことが関係しているとのことでした。

そんな背景から共栄様は嫁入り箪笥に用いるための木材を提供する、材木屋さんを営んでいたそうです。
そこから代替わりや数々の経営判断を経て現在は棺製造メーカーとして活動されているとのことでした。
生活の始まりである嫁入り箪笥の材木屋さんから、人生の終わりに入る棺メーカーへの転身。まさに生活に寄り添った企業様なのだと感じました。

お互い自己紹介をする中で目を引いたのは会長様の肩書きです。その名も“棺共大臣”。
聞けばなんと、会長様は朝5時から周囲の草刈りを率先して行っているそう。伺った際、社屋の裏にある川とその周囲はとても綺麗に整えられていたのですが、それは会長様のおかげだったのです。

「俺は朝5時から草刈りなんかをやってるけど、そんなことしてると社員も朝早く来るんですよ。いいっていってるのに」と会長様は話します。
朝早くの出社から始業までは、多くの場合、コーヒーを入れ雑談をして過ごすとのこと。「大体の悩み事は、朝イチの雑談で共有されて解決していますね」と部長の藤原様は話します。
社員同士の仲の良さが伝わってくるエピソードでした。

共栄さんの営業メンバーは日々全国を飛び回っており、11名の営業全員が揃う日はほぼないそうです。むしろ全員いない日があるということでしたが、先ほどの朝のちょっとした雑談により、結束が高まっているといいます。

そうした仲の良さがあったらからこそ始まったのが、共栄さんの特徴的な取り組みである“納棺体験”。共栄さんは棺のメーカーさんなのでBtoBのビジネスモデルを敷いています。その意味でいえば納棺体験はtoC、一般顧客へのアプローチです。
なぜそんな活動を始めたのか、社長様はこう振り返ります。

「なぜかって言われると困るのですが、『やりたい』って思ったからでしょうか。
私は持論として、ビジネスは販売力と集客力という二つの力が大切だと思っています。

僕は会長から会社を継いだわけですが、この会社にはBtoB事業を積み重ねてきたことによる販売力がありました。ただ集客に関してはやったことがなかった。だからやってみたかったんです。
そして地元でチャレンジをしてみたらすごいドキドキするし、すごい難しいし、とにかく大変でした。でも成功させられたし、テレビにも取り上げられ、いろいろなことが数珠繋ぎに広がっていったんです。」

「やりたい」という気持ちでスタートした入棺体験。2024年には地元で大きな入棺体験を含むイベントを主催したとのことですが、その成功は社員さんたちの協力があったそうです。
イベントが開催されたのは、2024年の1月12日のこと。年末に企画が社内で共有され始めましたが、実際に動けるようになったのは年始の10日ごろだったといいます。

「冷静に考えたらあと2日しか準備期間ないですよね?ってなって。社長、部長含め、社員総出でチラシ配りをしたんです。社長は大学にもチラシを配ってくださって。大変でしたけど、いい経験になりました。」と藤原様は振り返ってくれました。

イベントのチラシ。当日は地元の方々、200人以上もの方が参加されたといいます。

故人様を本当の意味で送る そのための棺をつくる

入館体験に関するお話を伺ったのちは、営業部の貝原様先導のもと、社屋に隣接する共栄の工場、そして倉庫の見学へ向かいました。

説明をいただく間にも、横を通るとしっかりと挨拶をしてくださる社員様たち。おもてなしの心からくる素敵な対応に思わず感動してしまいました。

最も印象に残ったのは、棺ギャラリーに展示されていたメッセージ棺。棺のふたに18個の区切りがあり、その中には故人様に向けたメッセージカードを挿入することができるのです。

また他にも大きな話題を呼んだ広島カープを象った”カープ棺”や、新潟県長岡市のお客様のためにつくったという花火の棺、新たな旅たちという意味を込めた朝焼けの棺などを拝見することができました。
「故人様の人生の集大成となる葬儀を形にしたい」という共栄らしさに触れることができた空間でした。

故人様を、本当の意味で送るためのお葬式を

見学を終えたのちは談話室に戻り、改めて入館体験に関するお話を伺いました。

入棺体験を実施したことで得られたのは、一般のお客様に葬儀や棺について説明できる機会だったといいます。
なんのために棺があるのか?なんのために葬儀という儀式があるのか?棺メーカーの観点でお客様に伝えることで、共栄の持つ葬儀の想いを確かめ、広めることが可能となったそう。

「世の中には結婚式、卒業式などありますが、私としてはお葬式が1番大切だと思っているんです。亡くなった方の人生にはいろいろなことがあったはずです。きっとピークにあったときはどんな方でも、ものすごいことをされていたんだと思います。

だからこそ私は、故人様の人生すべての集大成となるような、気持ちの込もったお葬式を行うことを改めて広げていきたい。
そうやっていい葬儀、納得いく葬儀をできれば、ご家族様は元気に立ち直っていくはずです」と話す会長様。
こうした想いを持って行う入棺体験は、お客様の葬儀に関する考えを深め、さらにはそのお客様の声は葬儀社の方にも影響を与えているといいます。

「”入棺体験”をされるお客様の中には、自分の人生を振り返り、お世話になった方への感謝の気持ちで涙を流される方もいらっしゃいます。
回数を重ね、何人ものお客様とお話ししているうちに、”入棺体験”は『自分の人生に向き合い、もう一度生き直す』行為ではないか?と考えるようになりました。本気で入って本気で出てくる。それが共栄の入館体験なんです。」と社長様は話してくれました。

こうした“棺メーカーが行う入棺体験”というユニークな取り組み、そして込められた想いから、見学を希望する企業は後を絶たないそうです。

一連のお話をとても素敵な掛け合いで進めていく会長と社長。実の親子だという2人の空気感はまさに阿吽の呼吸でした。

企業において多くの場合、承継を経ると親子仲は悪くなってしまうものです。
しかし共栄様の会長、社長の仲はとてもよく、例えば銀行の方が来られると「会長と社長の仲がいいとこんないい雰囲気の会社になるんだなぁ。ここに来るのがすごく楽しいです」と感動して帰られるそう。全国から見学に来る経営者の方の満足度もほぼ100%とのことでした。

 

冒頭に触れた、棺共大臣の任命もまた親子仲の良さが現れた出来事でした。
「私(社長)が主導となって、会長へサプライズで環境への取り組みの表彰と、棺共大臣の任命式を行ったんです。夏の朝礼でしたものだから、会長は汗ダラッダラのシャツ一枚で。思わずみんなで笑ってしまいました。今思うと会長らしいなと感じています笑」
会長様と社長様、そして社員様方、会社の方々全員の仲の良さが伝わってくるお話でした。

おわりに

棺メーカーである共栄さんへの視察で学んだのは、社員同士の仲の良さと”自社らしさ”の循環でした。
自分たちはなんのために会社を経営しているのか。なんのために働いているのか。そこを突き詰めた結果、入棺体験やカープ棺のようなお客様のことを真に考えた取り組みを形にできるのだと感じました。

またそうした施策の実行に欠かせないのは、突き詰めた自社の在り方についてきてくれる社員の方々の存在です。

夜には懇親会も開いていただきました

自社のアイデンティティを考え抜いているからこそ、ついてきてくれる社員様が集まるのか。それとも、会社の動きについてきてくれる社員様を採用しているからこそ、自社のアイデンティティを考え抜き施策を実行できるのか。

まだまだ共栄の皆様に伺いたいことがあると感じたと同時に、素敵を学びを得ることができた1日となりました。

視察メンバーコメント

外川 多加斗
共栄様を視察させていただき、理念や想いは言葉で掲げるだけでなく、日々の行動や発信、そして挑戦できる環境の中で自然と育っていくものだと改めて感じました。経営者のワクワクや前向きな姿勢が社内に伝わり、社員の皆様の主体的な行動につながっている点がとても印象的でした。仕事を楽しむ空気が会社全体に広がっているからこそ、良い循環が生まれているのだと学ばせていただきました。

大川祥子
働いている皆さんが明るく楽しそうだったことが印象的でした。誰もが自由に発言ができる雰囲気で、実際に会長様や社長様が話しているときに社員の皆さんがカットインして補足を話してくださいました。心理的安全性が高く、それぞれがその場その場におけるベストを尽くそうとされているのだと思います。棺桶メーカーということで会長様はときおり「陰気なものを作っておりますが!」と冗談まじりの発言をされますが、誰もが仕事に誇りをもっていらっしゃることは明らかです。人の最期の旅立ちに欠かせない道具を、素敵な環境のなかで大切に作っていらっしゃる会社でした。

西本友
はじめのご挨拶の時点から、非常に明るく受け入れてくださった姿が印象的でした。みなさんが共栄という会社で働くことに誇りを持って、前向きに働かれているのだろうと感じる場面もありました。ただ、それは決してすぐにできるものではなく、長い時間をかけて作り上げられたのだと思います。「ローマは一日にして成らず」という言葉があるように、何事も良い成果を目指す上では、長期的な考え方が必要になるとあらためて学びました。