まだ輪郭のない想いを言葉に
小学生のときから文章を書くのが好きでした。
担任の先生が熱心な方で、週に1~2回ほど学級日誌を発行してくれていました。そこには学級の情報だけでなく、クラスの数人の軽い日記も載せてくれていたんです。
私はそのコーナーに自分の日記を掲載してもらうのが大好きでした。自分の文章が、先生の心に引っ掛かったようで嬉しくて、何度も挑戦していました。
そして気がつけば、文章を好きになっていたんです。
それから時間が経ち大学生になって、広告系のゼミに入りました。
課題として渡されたのは、エッセイの執筆。小学生ぶりに、自分と向き合いエッセイを書いていく中で、文章が好きな理由を見つけることができました。
文章を綴ることは、まとまりきっていない想いを整理し、繋げることです。
そうすることで私は、私の伝えたい想いを改めて理解し、認め、抱きしめられるようになる。
文章を書くことは、リボンをかけて贈り物をするような感覚なんだ。そんな気づきがありました。
文章と言葉。
似ているようで違うこれらの意味を理解したのは、インタビューライターとしてある程度経験を積んだ頃でした。
ライターの仕事は、インタビュイーの想いを受け取り、言葉を繋いで、文章にすること。
やっていることは、学生の頃に書いていたエッセイと同じです。
ただ違うのはその相手。インタビュー記事でまとめるのは私ではなく、インタビュイーの想いだということ。
自分のものではない想いを受け止めて、言葉にする。
最も大切な想いはなにか、それを現すのにぴったりな言葉はなにか。そんな時間が愛おしくて。
その言葉の魅力を損ねることなく文章を組み立てるのは難しく、また苦しくもありますが、それを乗り越えてできあがった文章は、きっとインタビュイーの拠り所となります。
そんな大切なものに携わらせてもらえたことに、私は大きな喜びを感じています。
私が好きなのは、輪郭のない想いを言葉にすること。そして大切にして抱きしめてもらうこと。文章はその手段なんだ。
インタビューライターの経験を積むことで、文章と言葉に対する自身の想いを再確認することができました。
そんな私にとって、つむぎはまさにやりたいことがやれる場所でした。つむぎのパーソナルブランドブックは、想いと向き合い、熱を帯びた言葉を認めて一つのブックにするものです。
できたあがったブックはきっと、その方の宝物になる。
そう考えると、なんだかワクワクして大きな力が湧いてくるんです。
今は言葉を届けるのに、どんな方法があるのかを知りたいと思っています。
文章以外で、どんな方法なら想いを形にした言葉を相手に届けることができるのか。それを見つけることが、これからの歩む道を決めることでもあると思っているのです。
たくさんの方と話をし、その想いに触れ、学びを深めていく。やがていつかは、言葉を届けるさまざまな方法を見つけられたらいいなと思っています。