花浄院様でカンパニーブック制作を行うことになった背景
株式会社花浄院様(以下・花浄院)は、1970年に兵庫県で創業された葬儀社です。
“この街に「ありがとう」を増やし続ける。”という想いを大切にし、葬儀サービスだけでなく、墓花の販売やイベントを開催している地域密着型の企業として活動しています。
そんな花浄院様でカンパニーブック制作を行うことになったきっかけは「会社の教科書を作りたい」という代表様の想いです。
そもそも近年の花浄院様には、社員の増加と幹部教育への注力という人事に関する二つの事柄から、教育専門の部署を設置したという出来事がありました。
まず花浄院様の社員数は近年大きく増加しています。毎年5名以上が入社し、定着率も高く、年々着実に規模を拡大させています。
その中で花浄院様は、幹部層に向けた社員教育に課題を感じていらっしゃいました。
新入社員様の教育という観点では教育研修システムが整っており、高い定着率を実現できていました。
一方で幹部社員様たちに対して、もっと成長の機会をつくることが出来ないかということを考えていました。
そういった状況から花浄院様は、社内に教育に関する部署を開設。またそれに合わせて指針となるような物を作りたいという想いを持っていらっしゃいました。
そんなときに弊社からカンパニーブックの案内をする機会があり、代表様は「制作の場を、幹部社員たちに会社の想いを理解してもらったり、そもそも彼らが今どこまで知っているのかという現状を知ったりという場にできるのでは?」と考えられ、ご依頼をいただくこととなったのです。
カンパニーブックの内容
カンパニーブックとは会社の在り方、つまりCI(コーポレートアイデンティティ)を、一冊のブックにまとめたものです。会社活動における聖書を作る、とイメージしていただけるとわかりやすいかと思います。
つむぎではCIを、MI(マインドアイデンティティ)・DI(ドメインアイデンティティ)・VI(ビジョンアイデンティティ)・BI(ビヘイビアアイデンティティ)で構成されると捉えており、カンパニーブックにもその考えを反映しています。
そのためカンパニーブックは大まかに、MI・DI・VI・BIの4つの章から構成され、実際の制作ではクライアント企業様に合わせてそれらをさらに細分化し、内容をまとめていきます。
具体的な進め方は社長様とインタビューをする方法と、社長様・幹部様を交えたワークショップの要素を加えたインタビューをする方法の二通り存在します。
前者の方法であればスピーディーに制作を進められ、後者の方法であれば幹部様の成長という効果を期待することが可能です。
花浄院様では後者の方法を採用し、社長様・幹部様と制作を進めていきました。
制作期間は6ヶ月で、2週間に一回、2時間のミーティングを開催。合計12回、24時間のミーティングを行なっています。
初回のミーティングでは、MI・DI・VI・BIの大まかな4つの章に対し、何をどこに盛り込むのかをブレインストリーミング方式で整理。その後のミーティングでは初回で決定した構成に従い、各章それぞれの内容について担当の幹部様へインタビューしていきました。
カンパニーブックの結果
カンパニーブックの制作を通して、社長様からは「ミーティングの際、話があらぬ方向へ行かなくなった」という感想をいただいています。
またインタビューでは、対象となる幹部が回答できないという場面もあり「それを知られたことこそが収穫だった」と話してくださっています。
「今後幹部の方へどういった教育プログラムを組んでいけば良いのか?」という問いに対するヒントが得られたのではないかと感じています。
また弊社としては、制作を通し幹部様の考え方が社長様と揃ったことで、新入社員教育の質も上がるのではないかと考えています。
花浄院様には優れた教育システムがありますが、それを運用するのは既存の社員様たちに他なりません。その社員様たちを日々マネジメントするのが幹部様たちだと考えると、カンパニーブック制作によって幹部様たちの目線が揃ったことは、大きな効果を生み出すことに繋がっていくのではないかと期待しているのです。
出来上がったカンパニーブック運用はこれからですが、花浄院様のさらなる成長に強く深く貢献できるカンパニーブックが出来上がったと感じています。
カンパニーブック成功の要因
最も大きな成功の要因は、幹部層を巻き込んだ制作にあり、WHYが明確になるような議論の進め方によって、先ほどの感想のようなご満足を頂けたのだと思います。
カンパニーブックに記載する内容は普遍の事実ではありません。年数を経る中で変わらないものもあれば、変わっていくものもあるでしょう。
ただ制作の中で揃った目線、理解した事柄は決して変わることなく、会社の力となっていきます。
WHYを深掘りし、背景を理解する。
例えば今回の花浄院さんのケースでは「アフター事業部が気にするべき指標は何なのか?」という問いを出させていただきました。そして担当の幹部からいただいた回答に対して「それはなぜなのか?」と再び質問を返し、その回答がある背景や意図を明らかにしていったのです。
カンパニーブックは、クライアント企業様に深く寄り添い、ご支援していく弊社だからこそ形にできるものなのです。
今後の展望
カンパニーブック自体は「最近、みんながバラバラになってきている」や「人によって言うことややることが違う」といった課題を感じていらっしゃる企業様にぴったりのサービスです。
企業の想いに触れ、言語化し、それを議論しながらまとめていく。カンパニーブック制作の一連の活動は、その企業を次のステージへと成長させるエンジンとなります。
「次なるステージへと成長したいものの、社員様の成長について課題を感じている」
そんな企業様はぜひ弊社までお問い合わせください。
カンパニーブック制作を通して、次なる成長のエンジンづくりをサポートさせていただければと思います。
つむぎコンサルタント:つむぎ株式会社 代表取締役 前田亮
1981年静岡県生まれ。2004年、慶應義塾大学卒業後、㈱船井総合研究所に入社。社内で初めてエンディング業界のコンサルティングに本格的に携わり、チーム、グループを立ち上げ、2017年から部長として組織マネジメントに携わる。2020年、人創り・組織創りの経験を活かした人材サービスを提供するつむぎ㈱を設立。お客様、社員に愛され、地域になくてはならない永続企業創りを人材戦略の面からサポートする。