
天国葬祭様の概要
天国葬祭は、鹿児島県を中心に6カ所の葬祭場を運営している企業です。「あん人らしか、お葬式」を理念に、地域に根ざしたサービスを展開しています。
当時天国葬祭へは、中途採用支援をご提供していました。
しかし入社した社員さんがすぐに辞めてしまうという問題があったのです。
支援の背景
様々な施策を行なった上で分かったのは天国葬祭という企業は、まだ人材を多く保有する地盤が整っていなかったということでした。
しかし天国葬祭様は成長中の企業でもありました。そのため、入社後のサポート環境を改善することが急務だったのです。
そこでより効果的な施策を行うべく、カケハシインタビューを実施することとなりました。
具体的には入社一年の社員に向け、30分、会社生活に関するインタビューを実施。組織体制の中で、特に離職に影響を与えている箇所を特定することとしたのです。
カケハシインタビューとは
カケハシインタビューとは、つむぎが持つ「インタビュー力」を最大限に活用したサービスです。
お客様ごとに対象者や期間、時間を設計し、インタビューを通じて課題の本質を見極め、効果的な施策へとつなげていきます。
例えば、天国葬祭様では入社1年未満の社員を対象に、月1回30分のミーティングを実施しました。
ほかにも特定部署の社員に対し、1時間のスポットインタビューを行った事例もあります。
近年では経営層と現場社員の1on1に取り組む企業も増えています。しかし多くの場合は業務の確認で終わってしまいがちです。
また社員側にとっても、評価を握る相手に本音を伝えるのは簡単ではありません。
評価制度が制度化されていたとしても、それを運用するのは「人」であり、無意識の忖度が生まれる可能性があるからです。
だからこそ、第三者という立場である私たちが関わることに意味があります。
信頼関係を築いたうえで「それは、なぜですか?」と一歩踏み込む問いを投げかける。
そうすることで抽象的な話を具体化し、見えづらい課題の原因を突き止めていくのです。
プロジェクトの成果
カケハシインタビューを実施をし、一年が経過した現在、天国様では離職率が80%から30%へと大きく改善するという確かな成果が現れています。
また定性的には、カケハシインタビューを実施した社員様より「カケハシインタビューがなければ退職していたかもしれない」といった声も得ることができました。
弊社としてはこうした結果から、第三者が関わることで本音を安心して話せる環境が生まれつつあると感じています。
さらに、カケハシインタビューで得た現場の声はオンボーディング支援や評価制度の見直しへと発展していきました。
一人ひとりの声を丁寧に拾い上げることが人事戦略全体を支える。つむぎとして理想ともいえるご支援をすることができた、素晴らしい取り組みだと感じています。
今後の展望
天国葬祭様において大きな成果を収めたカケハシインタビューですが、成功の要因は長期で伴走することができた点にあると感じています。
一度のインタビューでも課題を特定することは可能です。
しかし課題を立体的に把握すること、例えば課題の全体像や他の要素とのつながりを理解することは、長期間にわたって複数回、踏み込んだお話を伺うことでしか成し得ません。そしてこの立体的な課題の把握こそが、課題解決、いい会社づくりへの最初の一歩となるのです。
今後は事業部として、このカケハシインタビューで体現されている、長期伴走の意識を強めていきたいと考えています。
一人ひとりの声に耳を傾け続ける姿勢を大切にし、人と組織に深く向き合う。そんな存在になれるよう、精進していきます。
