チームの心理的安全性が高まる。理念浸透アプリ「つむぎコネクト」を自社で使ってみた!
つむぎのサービスには、「つむぎコネクト」という社内で大切にする価値観を浸透させるためのwebアプリが存在します。

オンラインコミュニケーションが多い会社や、社員同士が顔を合わせる機会の少ない会社でも手軽に言葉や価値観を浸透できるツールとして誕生しました。会社の中でポジティブで自分たちらしい言葉がつむぎコネクトを通じて溢れるようになればいいなと思い、シンプルかつ使いやすい機能を搭載しています。

しかし、つむぎメンバーは悩んでいました。

すでにお客様にも導入していただいているサービスですが、私たちはまだこのアプリの可能性を最大限に活かしきれていないのではないだろうかと……。

そこで「つむぎコネクト」のさらなる活用法を探るべく、発足したのが「つむぎコネクトPJ」です。「コネクトの魅力浸透と活性化」というプロジェクト目的を掲げ、4ヶ月の試行錯誤が始まりました。

今回は、つむぎコネクトPJで実際に行なった「つむぎコネクトの活性化事例」についてご紹介していきます。

そもそも「つむぎコネクト」って?

つむぎ発の理念浸透アプリ「つむぎコネクト」。一か所に集まることを前提としない形で理念を浸透させる手法として、つむぎがゼロから開発しました。

本来、理念は繰り返し伝えることで徐々に浸透していくものです。しかし、つむぎがご支援する会社さまが多い葬儀業界では、店舗間の距離が遠く、定期的なオフラインでの会議が難しいという特徴がありました。

直接会えなくても、会社の大切な言葉に手軽に触れられる方法はないのか……。そんなときに誕生したのが「つむぎコネクト」でした。

つむぎコネクトでは、メンバー同士でメッセージ(コネクト内では「マイル」と呼んでいます)を送れます。ポイントは、その際に会社のバリューを必ず一つ選ぶこと。たとえばつむぎでは、「〇〇さん、会議でプラスアルファの提案をしていたな」と感じたとき、つむぎのバリュー「あと一歩、踏み込もう」とともにメッセージを送っています。すると、もらった方は「あれはバリューに沿った行動だったんだ」と気づけます。

つむぎコネクトを使うと、マイルを送ったときも、もらったときも、会社の大切な言葉や価値観を意識する機会が生まれるのです。

しかし、どんなにシンプルな仕様だとしても、生活に馴染んでいなければ使いこなすのが難しいのも事実。実際、つむぎ内でも年2回のオフライン合宿以降は、マイル送信数が下がっていく課題がありました。

PJスタート!つむぎコネクトで心理的安全を高める

まずは、「コネクトの魅力浸透と活性化」という目的を達成しやすいように、具体的なゴールと数値目標を立てました。

【ゴール①】つむぎコネクトによって心理的安全性が高まることを、メンバーに実感してもらう

つむぎの職場環境は、完全フルリモート。全員が集まる定例会議も月2回しかないため、気軽にコミュニケーションを取るのが難しい状況にあります。そのため、チームの一体感を保つのには工夫が必要です。

つむぎコネクトの魅力として目をつけたのが、オフラインでも理念の浸透が行えること以外に、社内の心理的安全性の醸成にも役立つのではないかという点。

社長や管理職以外の社員やスタッフにとっては、理念の浸透よりも業務に直接関わるような心地良いコミュニケーションの方が優先されがちです。そこで、「社内の居心地が良くなって、自分の意見を言いやすくなった」と感じられたら、一人ひとりがもっとつむぎコネクトを“使いたくなる”。使い続ければ、自ずと理念の浸透にも繋がるのではないかと考えたのです。

具体的には以下の2つで測定していきます。

・全員が週2通以上マイルを送っている状態にする
・社内の話しやすさのアンケートを7段階評価でつくり、各項目数値を1つあげる

社員の目線に立ち、心理的安全性の観点からアプローチすることで、理念浸透を行いやすい環境をつくる方向に決定しました。

【ゴール②】自社での活動を事例として、お客様につむぎコネクト活性化の方法をご提案する

またこのプロジェクトには、お客様がつむぎコネクトをもっと活用できるような土台を作るという役目もあります。つむぎでの試行錯誤をひとつの事例として、このレポートを作成することもゴールとしました。

施策が決定!「送りたい」と思えるような工夫とは?

次に、プロジェクトメンバーでマイルを送りたい・送れない状態を言語化をして、それを解決するような施策のアイデアを出し合いました。
チームの心理的安全性が高まる。理念浸透アプリ「つむぎコネクト」を自社で使ってみた!
シートを元に話す中で印象的だったのが、「内容に凝りすぎてしまい送れない」「どんなメッセージを送ったらいいかわからない」「関わりがない人には送れない」というもの。つむぎコネクトをさせるためには、ちょっとしたことでも気軽に送ってもいいという認識を浸透させるのが鍵であることが見えてきたのです。

そして、ゴールを達成できるような、そして「送らなきゃいけない」ではなく、「送りたい!」と思えるような施策を3つ選びました。

施策A:もらって嬉しかったマイルを定例会議でシェア
施策B:「1週間振り返りマイルDAY」と「ビッグサンクス・マイルDAY」をつくる
施策C:もらったら「お返事マイル」を送る、もしくは別の誰かに「バトンマイル」として送るルールを設ける

では、3ヶ月間の取り組みの様子を見ていきましょう。

【施策A】もらって嬉しかったマイルを定例会議でシェア

取り組み1ヶ月目は、もらって嬉しかったマイルを定例会議でシェアしました。これは、具体例を提示することで、マイルを送るきっかけや内容に困っている人が送りやすくなるように促す施策です。また、シェアするマイルにちょっとしたタイミングで送ってくれていたものをセレクトすることで、送信のハードルを下げる効果も期待しています。
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施策Aの狙い
・マイルを送るきっかけや内容に困らなくなる
・マイル送信のハードルが下がる
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※スケジュールの都合上、施策Aのみ測定期間を2週間で行いました。

結果は、送信数が66通にアップ!ハードルが高いと話していた人も、送ることができたとのことでした。
一方で、全体で集まる会議は週1回のため、1週間経つとだんだんと意識が薄れてしまったという感想もありました。

施策Aまとめ
〈取り組み〉もらって嬉しかったマイルを定例会議でシェア
〈よかった点〉他の人の送信のきっかけを知ることで、送れなかった人も送れるようになった
〈あともう一歩!〉だんだんと意識が薄れてしまう

【施策B】「1週間振り返りマイルマイルDAY」と「ビッグサンクス・マイルDAY」をつくる

取り組み2ヶ月目は、「1週間振り返りマイルDAY」と「ビッグサンクス・マイルDAY」をつくり、リマインドを行ないました。

「1週間振り返りマイルDAY」とは、1週間を振り返って改めて感謝したい人や、素敵だったと伝えたい人に送る日。そのときは忙しくて送りそびれてしまったとしても、時間が経ってから送っても良いのではないかと感じて設定しました。
「ビッグサンクス・マイルDAY」とは、マイル5通分の感謝を伝えたい人に送る特別な日。この日は、1人のみにしか送れないルールを設けました。深い感謝を伝える日をつくることで、逆に普段は気軽に送ってもらおうという狙いがあります。

毎週金曜日をマイルDAYとし、3週は「1週間振り返りマイルDAY」、残り1週は「ビッグサンクス・マイルDAY」のお知らせをしました。

また、リマインドも日々の連絡の中に埋もれてしまわないように工夫しました。

施策Bの狙い
・送りそびれたメッセージも漏らさず送れる
・あえて深い感謝を伝える日を設けて、普段は気軽に送れるようにする
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送信者が自ら考えて手動で行なうことで、まごころのこもったリマインドにしています。施策Aで手応えのあった、具体例のシェアも取り入れ、慣れさせないようにしました。
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結果は、148通にアップ!テーマがあることで、送りやすくなるとのこと。何より、リマインドにさまざまなメンバーが関わったことで、プロジェクトメンバー以外もつむぎコネクトに意識が向いた様子がありました。

一方で、「ビッグサンクスマイル・DAY」に1通しか送れないのがもったいなかったという感想もありました。マイルへの送信にハードルを感じている人にとっても、送れない原因になってしまうようです。

また、設定する日も大切だという意見もありました。オンラインでのやりとりが多いからこそ、定例会議やイベントの日など、メンバー同士の関わりが多発する日にするのがベストです。

施策Bまとめ
〈取り組み〉「1週間振り返りマイルDAY」「ビッグサンクス・マイルDAY」とリマインド
〈よかった点〉テーマがあると送りやすい
リマインドにさまざまなメンバーが関わったことで、意識も高まった
〈あともう一歩!〉「ビッグサンクスマイル・DAY」は送信のハードルを上げ、送りにくくなってしまう

【施策C】「お返事マイル」「バトンマイル」のルールを設ける

取り組み3ヶ月目は、もらったら「お返事マイル」を送る、もしくは別の誰かに「バトンマイル」として送るルールを設けました。

「お返事マイル」とは、マイルを送ってくれた人にお返しにマイルを送るというもの。自分のことを気にかけてくれたことへの感謝を込めつつ、相手に対しても思い返す機会をつくろうという目的で設けました。
「バトンマイル」とは、マイルをくれた人”以外”に、バトンを渡す感覚でマイルを送り繋いでいく取り組みです。これは、プロジェクトメンバーのひとりが以前から密かに行なっていたもの。マイルをくれた人以外に送ることで、幸せが循環していくことを想定しています。

この施策では、まず誰かが送ることが大切です。そのため、送信数が伸びてきた最後の期間に持ってきたと同時に、以下のことも行いました。

・プロジェクトメンバー以外にも送ってもらえるように、プロジェクトメンバーはメンバー以外に積極的に送る
・送信のハードルが下がるような具体例を定期的にチャットで送る
・テーマを設けてそれに沿った人に送る日を作る
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施策Cの狙い
・送ってもらったことをきっかけとして、お返し&他の人にマイル送信をする文化を作る
チームの心理的安全性が高まる。理念浸透アプリ「つむぎコネクト」を自社で使ってみた!
結果は、182通にアップ!返信やバトンを繋ぐアイデアを浸透させたことで、これまで以上に送信数が伸びました。また、こちらから送る人を指定したからこそ、普段接点のない人からも届いて嬉しかったという感想もありました。

施策Cまとめ
〈取り組み〉もらったら、「お返事マイル」か「バトンマイル」を送る
〈よかった点〉これまで以上に送信数が伸びた
送る人を指定したことで、普段接点のない人からも届いて嬉しい
〈あともう一歩〉まず誰かが送ることが大切なため、気軽に送る状態が浸透していないと効果が望めない

ゴールの達成度は?つむぎコネクトでチームが円滑に

3つの施策を行なったことで、はたしてチームの心理的安全性には繋がったのか。次に、月別のマイル送信数と話しやすさのアンケート結果を元に、ゴールへの達成度を見ていきます。

・全員が週2通以上送っている状態にする
・社内の話しやすさのアンケートを7段階評価でつくり、各項目数値を1つあげる

【月別送信数】PJの存在自体が施策に!


月別でも、右肩上がりで伸びていきました。
さらに、プロジェクトを発足したことで、メンバーが意欲的につむぎコネクトに触れ、8月から9月の前半にかけても送信数が増えました。つむぎコネクトの活性化のために活動している人がいること自体が、ひとつの施策になると言えるでしょう。

また、つむぎコネクトPJにおけるゴールとして設定した一つが、「全員が送っている状態にする」というもの。
全員とまではいきませんでしたが、実施前は5人だったのが、実施後には12人に増えました。

【話しやすさアンケートの結果】心理的安全性には繋がる?

では、マイル送信数が増えたことが心理的安全性にはつながったのかを見ていきます。

もう一つのゴールとして設定していたのが、「社内の話しやすさのアンケートを7段階評価でつくり、各項目数値を1つあげる」でした。
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上記の3項目で、施策前と中間地点、終了後の3回、アンケートを行ないました。
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なんと、どの項目も数値が1以上あがる結果となりました。

また、アンケート結果だけでなく、自由参加の会議への出席率がアップした変化もあったのです。さらにつむぎメンバーからは、「一人で行なう仕事でも、気にかけてマイルを送ってくれることで、みんなで挑んでいる心強さがあった」という声も。

たとえオンラインコミュニケーションだとしても、つむぎコネクトがあることで会社への意識の持続性が保てるのだと感じました。

理念浸透をしながら、心理的安全性も高まる「つむぎコネクト」

理念浸透を高めるアプリ「つむぎコネクト」。それは、ただ会社のバリューを言葉として理解するだけではなく、チームの心理的安全性も高まり、理念も浸透していくツールだと改めて感じます。

実際に、プロジェクトの振り返りではメンバーから「居心地が良いチームだった」という言葉が飛び交っていました。さらにメンバーは、タスク以外でも調べものをしたり、改善点を見つけて送ってくれたりと、誰もがつむぎコネクトの活性化を自分ごととして捉えていたのです。
それは、プロジェクトメンバーが率先してマイルを送り合ってくれたおかげで、互いにこまめなフィードバックができたからだと感じています。

「働くがやりがいに、そして人生を幸せに」というVission(ビジョン×ミッション)に進んでいくためには、居心地の良いチームづくりは必要不可欠。それは、定期的に長所を発見してもらえる機会と、意見を言いやすい空気が大切です。

これからも、魅力溢れるつむぎコネクトを活用して、それぞれがここにいても良いんだ、必要な存在なんだと思えるような組織づくりを行っていきます。

今回行った施策のまとめ

施策A
〈取り組み〉もらって嬉しかったマイルを定例会議でシェア
〈よかった点〉他の人の送信のきっかけを知ることで、送れなかった人も送れるようになった
〈あともう一歩!〉だんだんと意識が薄れてしまう

施策B
〈取り組み〉「1週間振り返りマイルDAY」「ビッグサンクス・マイルDAY」とリマインド
〈よかった点〉テーマがあると送りやすい
リマインドにさまざまなメンバーが関わったことで、意識も高まった
〈あともう一歩!〉「ビッグサンクスマイル・DAY」は送信のハードルを上げ、送りにくくなってしまう

施策C
〈取り組み〉もらったら、「お返事マイル」か「バトンマイル」を送る
〈よかった点〉これまで以上に送信数が伸びた
送る人を指定したことで、普段接点のない人からも届いて嬉しい
〈あともう一歩〉まず誰かが送ることが大切なため、気軽に送る状態が浸透していないと効果が望めない

プロジェクトメンバーからのメッセージ

最後に、つむぎコネクトPJのメンバーから、プロジェクトを経て感じたつむぎコネクトの魅力を伺いました。

くにみつさん

普段お家で一人作業することが多いですが、ふとした瞬間にマイルが届くと、ともに頑張っているようで心強く感じます。相手の良さを見つけて伝える習慣ができることで、「ありがとう」としみじみ感じる機会も増えました。

髙島さん

導入当初は自分ばかりが送っているのかなという感覚が大きかったですが、PJが始まり、私よりも圧倒的にいろいろなメンバーが活用してくれるようになっていることを感じます。PJを通して習慣化されている部分もあり、素敵な活動だったんだなと改めて感じました。ありがとうございました。

田口さん

素直にマイルが毎日のように届くのがとてもうれしかったです。自分の頑張りを社内の誰かが見てくれていて、それが時間を置かずにフィードバックされる。組織として、お互いに認め合い、成長しあうには、お互いの頑張りをよく見る”努力”をして、それを相手に”伝える”ことが重要なんだと気づかせてもらいました!とても良いプロジェクトでした!

高橋さん

つむぎコネクトを活用し切れていない状況にモヤモヤしていたので、今回プロジェクトで活性化に向け様々な取り組みを行うことができ、とても嬉しかったです。
取り組みをしていくなかで、自身のモチベーションが理念によって向上していることが実感できました。結果、お客様へサービスを語る際、自身の体験を伝えられるようになり、とても意味のあるプロジェクトになったと思っています!

小泉さん

もともと活用していたものの、プロジェクトによってつむぎメンバーとの交流が格段に増えたり、より安心感が高まったりと嬉しいことばかりでした。コネクトは、普段ゆっくり話せない中でも人と人とのつながりを保ち、孤独感をも払拭してくれるツールだと感じています。みんなでワイワイ取り組み、楽しかったです!

田中さん

リアルでいつもみんなが顔を合わせていない中で、それぞれの気持ちを共有するのに、とてもいいアプリだと思ってる中で、自分自身なかなか上手く活用できていない状況にもやもやしていました。そんな中で、今回のプロジェクトで「どうしたら使いやすくなるか」を考え、改善できたので良かったです。お互いに認め合い、その気持ちを相手に伝えることの大切さを感じられ、組織としても成長できるアプリになったと思います!

上田さん

「あのとき素敵だったよ」「さっきはありがとう」。意識的に送ってみると、だんだん送った私の心までポカポカしてきました。一緒に働く人の素敵ポイントを見つける目が養われるだけでなく、積極的に感謝を伝えている自分をちょっぴり誇らしく思える。つむぎコネクトはポジティブな気持ちを増やしてくれるアプリだと再認識できました!

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