「採用してもすぐ辞めてしまう」「現場スタッフと話す機会がほとんどない」。

こうした悩みは、産業廃棄物処理業界の中小企業から多く聞かれます。

その背景にあるのは、“対話不足”かもしれません。

社員の定着や育成、安全対策、業務改善の提案を促進するには、日常的な信頼関係の構築が欠かせません。

そのための有効な手段が「1on1ミーティング」です。

本記事では、産廃業界に適した1on1の目的や進め方、具体的な質問例、成功事例まで、わかりやすく解説します。

「辞める前に気づけなかった…」を防ぐ、対話の重要性

産業廃棄物業界では、現場が複数の拠点に分かれ、業務が分業化されていることが多く、上司と部下がじっくり話す時間がなかなか取れません。

そのため気づいたときには「社員が孤立していた」「不満を持っていた」といった問題が表面化し、退職につながることもあります。

特に新人や若手は何が分からないのかが分からない状態で放置されやすく、「誰に聞けばいいのか分からない」「何を期待されているのか不明」といった不安を抱えがちです。結果的に、「辞める直前にようやく本音を知る」というケースも少なくありません。

また、安全管理や品質維持、理念の浸透といった重要なテーマは、資料や張り紙だけでは伝えきれず、日常的な「言葉による対話」が必要です。だからこそ、信頼関係を築きながら本音を引き出す仕組みとして、1on1ミーティングは非常に有効なのです。

「話す」より「聴く」――1on1は信頼を育てる時間

1on1とは、上司と部下が定期的に1対1で行う“対話の時間”です。ただの業務連絡や評価面談とは異なり、目的は「信頼関係の構築」と「内面の変化の把握」にあります。

面談では、「指導する」より「相手を知る」ことを意識しましょう。基本スタンスは「聴く7割・話す3割」。部下が何を感じているのか、どんな悩みや課題を持っているのかを、安心できる空間で引き出すことがゴールです。

決して“正しい答え”を出す場ではなく、部下の声に耳を傾けることが1on1の本質です。

忙しい現場でもできる!“無理なく続く”1on1の始め方

忙しい現場でも運用しやすいよう、1on1の設計はシンプルで構いません。次の4点を意識して導入するとスムーズです。

現場に負担をかけず、続けやすい設計が定着のポイントです。

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会話が広がる!テーマ別「1on1の質問テンプレート」

1on1の場では、自然な対話を通して相手の内面を引き出すことが大切です。以下のようなテーマごとの質問を活用することで、会話の幅が広がります。

【安心・不安を探る】

【成長・やりがいを育てる】

【人間関係・職場環境】

これらの質問はすべて、「話しやすい雰囲気」と「共感的な聞き方」があってこそ活きてきます。

1on1を「ただの面談」で終わらせない4つの工夫

1on1は、導入後、より効果を出すためには以下のポイントを意識して運用することが大切です。

こうした工夫を重ねることで、1on1は単なる“面談”ではなく、“信頼を育てる時間”として機能していきます。

面談の様子

「時間がない」「話が続かない」現場の悩みに答えます

Q. 忙しい現場では時間が取れません…
A. 1人15分/月1回からでOKです。最初は「雑談1on1」から始めてみましょう。

Q. 何を話せばいいかわかりません…
A. 質問テンプレートを使いながら、「困ってること」「最近よかったこと」などから始めましょう。

Q. 小さな会社でも意味ありますか?
A. むしろ1人1人が大事な戦力の中小企業こそ効果大です。

「何から始めるべき?」が明確になる相談窓口はこちら

もし「どこから手をつけていいかわからない」「どんな制度がいいのか?」と感じられた場合は、ぜひお問い合わせをいただければと思います。中小企業の人事領域に対し豊富な知見を持つコンサルタントと、30分間無料でご相談が可能です。

お問い合わせ

またつむぎでは、効果的な1on1を行うための「1on1研修」というサービスをご提供しています。担当者へのインタビューは、1on1を導入する上で非常に参考と内容となっておりますのでぜひご一読ください。

ただの雑談で終わらない1on1の心得・技術を学ぶための「1on1研修」【つむぎサービス大辞典 Vol.13】

1on1に関係する記事は下記にもまとめています。この機会にぜひご一読ください。

「採ったのに辞められる」を防ぐ、“定着の仕組み” 産業廃棄物業界で人材を定着させる施策とは?

産業廃棄物業界で離職を防ぐためには?オンボーディングの必要性と導入手順

属人化を避ける育成、その基盤は?産業廃棄物業界にマニュアルが必要な理由と作成手順

「月1回・15分の対話」が、職場を変える第一歩に

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1on1は「聴く習慣」が職場を変える第一歩です。

忙しい現場だからこそ、月1回でも15分でも「対話の時間」を意識的に取ることが信頼と定着につながります。

まずは、気になる社員に“声をかける習慣”から始めてみましょう。