京都府舞鶴市で、建材の開発・製造・販売を行う株式会社DIY STYLE。会社員時代に勤めていた設計事務所での知識を活かし、2005年に森本 隆様が創業しました。

『DIYリフォームでスクラップ&ビルドを低減!これからの新しい社会と暮らしを提案する』を企業理念とし、本当にお客様が必要とする商品の開発・販売や、社会貢献にも携わる森本様。創業するまでのお話や、今後の目標を語っていただきました。

「いける」という確信 企業のきっかけ

−−創業の経緯についてお伺いしてもよろしいでしょうか

私は元々、大阪でサラリーマンをしていたんです。勤務先は設計事務所でしたが、激務で将来が見えなくなり、地元の京都に戻りました。しかし、当時は就職氷河期直後だったため、自分に合う転職先を見つけるのが難しかったんです。

それなら思い切って「自分で会社を経営しよう」と決断しました。突然起業することに当然不安やリスクはありましたが、私には「いける」という確信があったんです。

企業後は山あり谷ありの日々

−−創業してからは順調でしたか?

山あり谷ありの日々でした。創業して初めてのトラブルは、借りていた事務所が地上げにあったこと。突然顔も見たことがない人が来て「ここから立ち退け!」と言われたときは驚きました。事務所の管理主も実は繋がっており「契約なんて関係ない」と言うので、延々と揉めていましたね。

しかし、私たちは大人しく出ていくのではなく、断固として戦いました。裁判所で調停し、警察にも見回りをしてもらって。その間に銀行に頭を下げてお金を借り、役所の企業誘致を利用し、そして現在の事務所に移転しました。

その後も大変なことは続きます。弊社のオリジナル商品を他社に真似されてしまい、自分たちの商品を売れなくなったこともありました。

さらに、今まで仕入れていた商品が手に入らなくなったこともあります。昔、建築材料のアウトレット品を販売していたのですが、売れ行きが非常に好調でした。当時はおそらく、弊社が日本で一番フローリングを販売している会社だったのではないでしょうか。

しかし、アウトレット品が売れ過ぎたばっかりにメーカーから目を付けられ、「自分たちでやればいいのでは?」とメーカーに気付かれてしまいました。その頃から、私たちの仕事がなくなっていったんです。

「本当に必要とされている商品」を追求して

−−これまでの仕事ができなくなってから、どのように売上を立てたのでしょうか?

独自商品を次々に開発していました。実はアウトレット品の販売をしていた頃から「この商売は長くは続かないのではないか」と考えていたため、元々商品開発にも力を入れていたんです。そのため、一時は売上が下がりましたが、すぐに元に戻りましたね。

通常は「仕入れて売る」という流れを取る会社が大半ですが、それでは取引先に影響されるリスクがあります。相手先の体制が変わったり、潰れたりしても対応できるよう、弊社は利益の大半を使ってでも商品開発をしているんです。

また、建材を販売する会社さんはエンドユーザーさんと直接関わる機会が少ない傾向にありますが、私たちはエンドユーザーさんと話す機会が多く、「本当に必要とされている商品」が分かるんですよね。ですので、売れる商品が作れるのだと思います。大学と連携して、研究・開発を行うこともあります。

現在一番のヒット商品は、「床デコシート」。床デコシートは、「貼るだけ簡単フローリング床デコ」の下地として使うシートで、床に敷くだけで断熱・防音効果を発揮し、床のわずかな凹凸を調整する商品です。

弊社には日本最高性能の商品も数多くありますが、実は商品開発のほとんどが失敗と言っても過言ではありません。3割も当たらない感覚ですが、基本当たるまで開発を続けます。本当にいい商品なら、しぶとくプロモーションを続ければ売れると思っているので。

商品企画の源泉は自身の活動

−−カードゲームや防災グッズなどの幅広い商品がありますが、どのようなきっかけで作ったのでしょうか?

私自身が防災活動や社会貢献活動が好きなため、開発したというのが大きいですね。コロナ後は行っていませんが、大学生のインターンシップで防災ゲームを作ることもありました。

ただ、昔から社会貢献に興味があったわけではありません。私が社会貢献をしたいと思ったのは、子供が生まれてからです。

私たちが住んでいる地域も雪が降るんですが、その際みんなで雪かきをしますよね。しかし、会社員のお父さんお母さんは時間がなく、なかなか雪かきができません。

であれば、ある程度時間に融通が利く私が、地域に貢献しようと思ったんです。その一環として、防災活動も自分自身で行おうと思い、防災士の会を作ったこともありました。私は商売やお金儲けよりも、社会貢献や防災活動にやりがいを感じているのだと思います。

今ある建物を大切にする 経営理念への想い

−−経営理念に「DIYリフォームでスクラップ&ビルドを低減」とありますが、具体的にはどのようなことでしょうか?

私が会社員時代勤めていた設計事務所では、築20〜30年の家の建て替えを提案していたんです。まだまだ住める家にも関わらず、数多くの建て替えをしていました。一方、私たちは就職氷河期真っ只中だったため、給料も上がらずボーナスももらえない日々。

将来が不安な中、何千万もする家を建て替える人たちを何人も見てきましたが、私たちの世代は「良い家なんて買えない」と思っていました。であれば、中古マンションをDIYリフォームすればいい。この考えが「スクラップ&ビルドを低減する」という理念に繋がっています。

必要のない建て替えは行わずに、今ある建物を大切にする。そして、なるべく廃棄物を出さずに自然環境に負担をかけない。これこそが、私たちが目指す理念です。

“スクラップアンドビルドの低減”を目指して

−−これからどのような社会貢献をしていきたいですか?

直近で考えているのは、「築30年の図書館を潰して、新しい図書館を作る」という地元の計画をストップさせることですね。それこそ“スクラップアンドビルドの低減”に繋がるので。

築30年の家を建て替えることなんてほとんどないじゃないですか。少なくともあと60年は住めるはず。ですので、築30年の図書館もまだまだ利用し続けられると考えています。

このような社会貢献活動をしていると、なぜか仕事が増えるんです。因果関係はありませんが。しかし経験上、仕事ばかりするのではなく、しっかり社会貢献をし、家庭のことも趣味もバランスよくやってるときが一番忙しいですね。これからも仕事だけでなく、地域社会と密接に関わっていけたら嬉しいです。