株式会社シーボーン・ジャパン
株式会社シーボーン・ジャパン様は、オマール海老を中心とした水産物の輸入、加工、卸売、小売事業を行う企業様です。業界のプロフェッショナルとして、全国のホテル・結婚式場・レストラン様、そして一般のお客様にお届けしています。今回は株式会社シーボーン・ジャパンの代表取締役社長である小澤祐司様に、代表に就任するまでの経緯や大切にしている想いを伺いました。

起源はカナダ・バンクーバーの会社。現CEOとの出会いから代表に就任

株式会社シーボーン・ジャパン
––小澤様がシーボーン・ジャパンの代表に就任した経緯を教えてください

株式会社シーボーン・ジャパンの起源は、カナダ・バンクーバーの「シーボーンエンタープライズ」という会社です。この会社は、原料バイヤーであった武田恭平が、カナダのシーフードを扱う土産品店として創業しました。

当時は円高ということもあり、海外旅行の帰りにお土産としてシーフードを購入する日本人が非常に多かったのです。しかし、カナダから日本に帰国するまで10時間以上かかるため、お客様の自宅にお土産が届く仕組みを作ることに。そこで、国内のロジスティクスを日本で完結させるべく、現CEOである古池啓輔がシーボーン・ジャパンを創業したのです。

そして私が26歳のとき。たまたま古池と出会い、すぐにシーボーン・ジャパンへの入社を決意し、販路拡大のため懸命に働きました。3年後には役員になり、紆余曲折を経て、現在代表取締役をしております。

ピンチをチャンスに変えて経営してきた

––代表に就任してから大変だったことはございましたか?

大変だったことは山ほどあります。ITバブル崩壊や同時多発テロ、リーマン・ショック。そして新型コロナウイルスなど、様々な要因が事業にも影響を及ぼしました。特にコロナ禍では、売上がマイナス98%になってしまった月もあるのです。

緊急事態宣言が出た際は、お客様先がすべてお店を閉店していたため、何をしたら良いのかわからなくなりました。そこで古池と「地道に今できる仕事をしていこう」と決め、電話セールスを始めることに。当然社員にも全員出勤してもらい、当然お給料もお支払いしました。

飲食店情報を提供するサイトからセールスのリストを作り、北海道から沖縄までひたすら電話をかける毎日。初めは売れると思っていませんでしたが、セールスを続けるうちに、多くのお客様に購入いただけたのです。

私たちはトンネルの出口を見つけたような気持ちに溢れましたが、その後もひたむきにセールスを続けました。そして、これまでのお客様が戻ってきてくださったタイミングで、セールスで培った売り上げが上乗せされ、2023年3月の決算が創業以来の最高額になったのです。

私はこの経験を通して、みんなが一致団結して動き出せば、「小さな会社でも大きな成果を出せること」を証明できたと感じています。

社員の声を聞き、未来に繋がる経営をする

––シーボーン・ジャパンではどのような想いを大切にしているのでしょうか?

社員のアイディアを積み上げ、未来に繋がる経営をすることです。社員にとって「やりたいこと」ができる会社でなければ、働いていてやりがいを感じるのは難しいでしょう。そのため、私は一歩引いた状態で、社員の声をしっかりすくい上げることを大切にしています。

そして、社員の頑張りを公正に評価できるような仕組みを維持し続け、どんどん管理職も輩出したいですね。そうすることで、組織全体が若返り、常にフレッシュな状態で働けると考えています。

また、社員にとって働きやすい職場づくりを心がけています。私が若いころはほとんど休みを取れず、ひたすら働く日々でした。しかし、社員のみなさんにはしっかり休みを取っていただき、プライベートの時間も大切にしてほしいと思っています。

もちろん、一度に多くの社員が有給を取り、会社が回らなくなっては本末転倒です。しかし、誰も犠牲にならない会社にするための結論をみんなで考えています。実際に、産休・育休制度も整っており、近々男性社員にも育休を取得していただく予定です。

リスクを抱えるときこそ、信念のある決断をしてきた

––貴社の強みを教えてください。

リスクを抱えながらも、信念を持って事業に取り組んできたことです。新型コロナウイルスの影響で経済が低迷しているとき、私たちはあえて借地であった福岡支社の土地、建物を購入しました。数億円の投資になりましたが、会社の売上を立て直すという1つの目的のためにリスクのある決断をすることで、結果的に良い方向へと風向きが向いたのです。

これまでも厳しい状況に何度も直面してきましたが、それでも諦めずに信念を持って乗り越え続けてきたことが私たちの強みだと考えています。

ご縁を大切にし続け、社内外問わず風通しの良い潮流を作る

株式会社シーボーン・ジャパン
––最後に、今後の展望を教えてください。

社内はもちろん、社外にも風通しの良い形の潮流を作っていきたいです。これまで様々なことがありましたが、それでも繋がってくださる方々とのご縁を大切にし、これからもかわらず品質の高い商品をお届けいたします。また、私は加工現場に立つのが好きですので、食材と真摯に向き合い、食材本来の価値を社員やお客様にお伝えし続けます。