<幹部研修編>つむぎコンサルタントによる成功事例紹介

幹部研修を行うことになった背景

今回ご紹介する幹部研修を行うこととなった背景には、このクライアント様ならではの課題がありました。

この企業様は創業から60年以上で、200名弱の社員を擁し、複数の店舗を展開していらっしゃいます。そしてここから5年10年とかけて、企業規模でいえば倍近くに持っていきたいという想いを持たれていました。

この中期的な経営計画があったうえで課題となっていたのが幹部の不足です。この企業様であれば店舗を増やすことは難しい話ではないのですが、増やした店舗をマネジメントする人材には不安を抱えていました。
そこで社長様は「いまのうちに手をつけておかなければ」とお考えになり、私たちに依頼をしてくださったのです。

支援の内容

2023年9月から行っているこちらの幹部研修では、40人の幹部候補社員を対象に、コンセプチュアルスキルを磨くことをテーマに据えています。

コンセプチュアルスキルとは論理的思考のようなもので、アメリカの経営学者ロバート・L・カッツ氏が提唱した理論「カッツモデル」にて、提唱されている能力です。

カッツモデルでは、会社における役割を「トップマネジメント」・「ミドルマネジメント」・「ロウワーマネジメント」に分けており、またそれぞれの役職において求められる能力を「コンセプチュアルスキル」・「ヒューマンスキル」・「テクニカルスキル」というこちらも3つで表しています。

このクライアント様へのご支援では「将来、店舗やM&A先の管理を任せられる人材育成をお願いしたい」という要望があったことから、コンセプチュアルスキルに特化した研修をご提供しています。

研修では抽象的な概念を言語化する訓練として、課題図書を通したレポートとディカッションを行っています。
課題図書には、経営に関する内容で社長が読了し共感した、参考になったという書籍を設定。参加者には研修前にそれを読み、内容を通して世の中の原理原則論を学びつつ「自社でこの考え方をどう展開していくか」というレポートを作成してもらっています。

研修は約20人ずつ2グループに分かれ、それぞれ別日に2時間行っていますが、内容は同じで、一回につき2つのテーマについてディスカッションを行うというものです。

幹部研修の効果

この研修は抽象的概念を身につける内容のため、効果をもまた抽象的にならざるを得ません。抽象的な結果しか報告できない場合、満足度の向上もさることながら、これからの展開をご提案していくことも難しくなります。

しかしこちらの事例では、社長様や研修担当者の方から「研修を受けた社員たちの視座が上がった」「目線の高い会話が増えてきた」と効果を実感していただいています。
また当初は40名の中から途中で離脱者も出る想定だったのですが、現在離脱者は極めて少なく、その点でも社員さんの力を感じることができ、ご満足の声をいただいています。

これから先、店舗が増えたりM&Aを行ったりしたりしていけば、効果を実感する機会も増えていくことでしょう。
研修の担当者として彼らの活躍を楽しみにしています。

幹部研修成功の要因

この研修の成功ポイントはテーマを絞ること、そして40人への参加者1人ひとりのレポートへフィードバックを行うことの2つです。

テーマを絞ることは深い議論の発生につながります。深い議論をすることで経営に関する抽象的な概念を噛み砕くことができ、具体的な内容として理解できるようになるのです。

レポートへのフィードバックは、社長の想いを代弁して伝えるという意図があります。
課題図書を読み社員それぞれが感じたことを認めつつ「その場合はこう考えてみては?」ということをフィードバックとして伝えているのです。先生がテストにコメントをくれるようなイメージですね。
こうすることでコミュニケーションのラリーが生まれ、より前向きな発想や、行動につながるということを促進していくことができます。

このクライアント様の幹部研修では、これら2つのポイントによって、会社の在り方や経営の原理原則論、社長の思い描く未来といった抽象的な概念を、具体的な物事として身につけることができるようになっているのです。

つむぎコンサルタント:つむぎ株式会社 代表取締役 前田亮
1981年静岡県生まれ。2004年、慶應義塾大学卒業後、㈱船井総合研究所に入社。社内で初めてエンディング業界のコンサルティングに本格的に携わり、チーム、グループを立ち上げ、2017年から部長として組織マネジメントに携わる。2020年、人創り・組織創りの経験を活かした人材サービスを提供するつむぎ㈱を設立。お客様、社員に愛され、地域になくてはならない永続企業創りを人材戦略の面からサポートする。