幹部合宿 アイキャッチ

花浄院様で幹部合宿を行うことになった背景

株式会社花浄院様は、1970年に兵庫県で創業された葬儀社です。
“この街に「ありがとう」を増やし続ける。”という想いを大切にし、葬儀サービスだけでなく、墓花の販売やイベントを開催している地域密着型の企業として活動しています。

花浄院様で幹部合宿を行うことになった理由は2点あります。
1点目は、会社の中長期計画を具体的に考えようとした際、普段の職場で行うのが難しかったためです。職場では、社員さんからの質問や相談が多くあるだけでなく、日々の業務に取り組むので精一杯になってしまいます。ですので、普段とは違う空間で集中的に行うべきだと考えました。

2点目は、中長期計画を経営者のみで考えるのではなく、会社の中心を担う幹部とともに考えることが必要不可欠だと考えたからです。花浄院様では今もその考えは変わらず、現在も1年に1回のペースで幹部合宿を行っています。

幹部合宿の内容

企業が考えるべきテーマを設定し、1泊2日かけて議論を行います。その際、必要に応じて弊社のコンサルタントがファシリテートします。2022年は「教育プログラム」を作り上げ、2021年は「花浄院様のカルチャー」を定めることにフォーカスしました。その結果、社内プロジェクトの増加や、『みんな違ってみんないい』という言葉が生まれるなどの成果がありました。

2023年のテーマは「1on1(コーチング)の構築」。1on1が雑談で終わってしまうという声もあり、1on1の対象者と目的を再度整理したんです。最終的に、1on1の目的を「社員の未来を描く場」「現状を起点としてどのように成長するか考える場」「どんなことも相談できる場」「新入社員がスムーズに馴染めるようにする場」の4つに分類しました。

幹部合宿のスケジュール

2023年のスケジュールは、1日目の11:00~13:00にアイスブレイク、13:00~14:00に昼食、14:00~19:00で「1on1構築」の議論をしっかり進めました。さらに20:00~23:00で、社内会議体制の見直し・各会議における目的と議題の検討を実施。2日目の朝~12:00は、発生し得る課題の抽出・課題に対する対策案の検討・スケジューリングを行いました。

幹部合宿の効果

スタッフ目線だった幹部の発言や考え方が、幹部合宿を通じて経営者目線になりました。そもそも幹部になる人材は、元々トッププレイヤーであるケースが多いんです。そのため幹部であっても、経営の視点を持っている人のほうが少ないと言えます。しかし、幹部合宿を行った結果、幹部の立ち位置が180度変わり、経営サイドで物事を考えられるようになりました。

成功の要因

花浄院様自体が「本気で会社の未来を作ろう」というマインドを持っているのが大きな要因ではないでしょうか。幹部合宿当日は、社長2人や幹部などの役職者が一気に抜けてしまいます。だからこそ本気で人材育成をし、良い会社を作りたいと考えている企業様でなければ、幹部合宿を実現することすら難しいでしょう。

また、幹部の意識や考え方をうまく経営者に近づけられたのも要因の1つです。幹部から意見を引き出し、それを「会社の未来に繋がるような考えに落とす」という舵取りが上手くいったからこそ、経営視点を持つ幹部が増えたのだと考えます。はじめから答えを与えるのは簡単ですが、そうではなく、幹部自身で議論してもらうことが重要なのです。

幹部合宿の位置づけ

期が変わるタイミングで行われる経営者発表会により、5年後のビジョン・来期の目標・それに向けた重点策が発表されますが、幹部合宿は「重点施策を推進するための具体的な方法を考える」という位置づけです。合宿のテーマはその年の重点施策に連動しており、1泊2日かけて議論を行っています。

弊社は「経営者合宿」という2泊3日の合宿も実施しており、内容は経営者のみで中長期計画を作るというもの。幹部合宿との違いは、単純に「幹部を連れていくかどうか」。幹部を連れてきてくださる会社さんは、「幹部と一緒に作っていこうという」という気持ちが強いですね。また、世代交代を意識している会社は、幹部陣の会社に対する理解をより深める必要性があるため、幹部合宿を行うべきだと考えています。

つむぎコンサルタント:つむぎ株式会社 代表取締役 前田亮
1981年静岡県生まれ。2004年、慶應義塾大学卒業後、㈱船井総合研究所に入社。社内で初めてエンディング業界のコンサルティングに本格的に携わり、チーム、グループを立ち上げ、2017年から部長として組織マネジメントに携わる。2020年、人創り・組織創りの経験を活かした人材サービスを提供するつむぎ㈱を設立。お客様、社員に愛され、地域になくてはならない永続企業創りを人材戦略の面からサポートする。

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